
志望動機を書くためには、応募先について調べ、自分の経験との接点を整理することが大切です。
前回の記事では、志望動機を書く前に、次の3つを整理する方法をご紹介しました。
- 応募した理由
- 仕事に生かせる経験
- 入社後の取り組み方
今回は、整理した内容を使って、実際に志望動機を文章にする方法をご紹介します。
志望動機の基本構成
志望動機は、次の3つを順番につなげると組み立てやすくなります。
- 応募した理由
- 仕事に生かせる経験
- 入社後の取り組み方
それぞれの内容を具体的に見ていきましょう。
1.応募した理由
最初に、応募先のどのような仕事や事業、取り組みに関心を持ったのかを書きます。
例えば、次のような内容です。
- 商品番号や数量を確認する検品業務に関心を持った
- 快適な環境を整える清掃業務に興味を持った
- 医療機関での受付や書類作成など、医療を事務面から支える業務に関心を持った
- 来店した方の要望を聞き、商品を案内する接客業務に関心を持った
「仕事内容に興味を持った」だけでは、具体的に何に関心を持ったのかが伝わりにくくなります。
求人票や企業の公式ホームページなどを確認し、「どの仕事」「どの事業」「どの取り組み」に関心を持ったのかまで整理してみましょう。
2.仕事に生かせる経験
次に、応募する仕事に生かせそうな経験や、その中で行ってきたことを書きます。
ここでいう「経験」は、同じ職種で働いた経験だけではありません。
別の仕事や訓練、学習、日常的な作業などの中にも、応募先の仕事につながる行動や習慣が含まれていることがあります。
例えば、
前職でデータ入力を担当しました。
だけでは、どのように仕事をしていたのかまでは分かりません。
そこで、
前職ではデータ入力を担当し、入力後には元の資料と照らし合わせ、数字や氏名に間違いがないか確認していました。
とすると、経験だけでなく、仕事への取り組み方まで具体的に伝えることができます。
経験を整理するときは、
- 何をしていたか
- どのような手順で行っていたか
- どのような点に注意していたか
- どのような工夫をしていたか
まで振り返ってみると、応募先で生かせる部分を見つけやすくなります。
3.入社後の取り組み方
最後に、自分の経験や行動を、応募先の仕事でどのように生かしたいかを書きます。
例えば、
入力後に内容を確認する習慣を生かし、正確な事務処理に取り組みたいと考えています。
というように、これまで行ってきたことと、応募先で担当する仕事をつなげます。
「頑張りたい」「貢献したい」と書くこと自体が間違いというわけではありません。
ただし、それだけでは、入社後にどのように仕事へ取り組むのかが分かりにくいため、
- 手順を確認しながら覚える
- 入力後に見直しを行う
- 分からないことは確認してから進める
- 相手の話を確認してから対応する
など、具体的な行動まで考えると内容が伝わりやすくなります。

3つの材料をメモしてから文章にする
最初から完成した文章を書こうとすると、何を書けばよいのか分からなくなることがあります。
まずは、
- 応募した理由
- 仕事に生かせる経験
- 入社後の取り組み方
の3つを、短い言葉で書き出してみましょう。
例えば、検品業務に応募する場合は、次のように整理できます。
- 応募した理由:商品番号や数量を確認する検品業務に関心を持った
- 仕事に生かせる経験:入力した内容を元の資料と照らし合わせ、間違いがないか確認していた
- 入社後の取り組み方:照合や確認を行う習慣を生かし、商品番号や数量の見落としを防ぎたい
この3つをつなげると、次のような志望動機になります。
求人票を拝見し、商品番号や数量を確認して出荷前の間違いを防ぐ検品業務に関心を持ち、応募いたしました。これまでの業務では、入力した内容を元の資料と照らし合わせ、一つずつ間違いがないか確認していました。この経験を生かし、入社後は作業手順を正確に覚え、商品番号や数量を丁寧に確認しながら、見落としのない作業に取り組みたいと考えています。
このように、前職と応募先の仕事内容が異なっていても、
「照らし合わせて確認する」
という共通する行動を見つけることで、経験と応募先の仕事をつなげることができます。
志望動機の型
文章を組み立てることが難しい場合は、次の型も参考にできます。
貴社の求人を拝見し、【仕事内容・事業・取り組み】に関心を持ち、応募いたしました。
私はこれまで【業務や活動】を経験し、その中で【具体的な行動や工夫】を行ってきました。
この経験を生かし、入社後は【具体的な業務への取り組み方】を意識して働きたいと考えています。
型は、文章の順番を整理するためのものです。
すべての志望動機をこの形にする必要はありません。
また、型に合わせるために経験を大きく見せたり、実際には感じていないことを書いたりする必要もありません。
自分が実際に経験したことや、面接でも説明できる内容を使って作成しましょう。
※企業への応募では、応募書類では「貴社」、面接で話す場合は「御社」と表現するのが一般的です。
短い志望動機を改善してみよう

次の志望動機を例に考えてみます。
改善前
自宅から通いやすく、事務の仕事に興味があったため応募しました。
通勤のしやすさや勤務時間などの条件は、仕事を継続するうえで重要です。
ただし、この内容だけでは、
- 事務のどの仕事に関心を持ったのか
- 自分のどのような経験を生かせるのか
- 入社後どのように仕事へ取り組みたいのか
が分かりません。
そこで、仕事内容と自分の経験を加えてみます。
改善後
貴社の求人を拝見し、売上データを決められた形式に入力する業務に関心を持ち、応募いたしました。前職ではデータ入力を担当し、入力後には元の資料と照らし合わせて、数字に間違いがないか確認していました。この経験を生かし、入社後も入力後の確認を丁寧に行い、正確な事務処理に取り組みたいと考えています。
改善後は、
「仕事内容への関心」
「これまでの経験」
「入社後の取り組み方」
が一つの流れになっています。
志望動機を書く欄が短い場合も、条件面だけで終わらせず、仕事内容への関心と自分の経験との接点を優先して整理すると、応募した理由を伝えやすくなります。
未経験の仕事に応募する場合
未経験の仕事に応募するときも、経験があるように見せる必要はありません。
これまでの仕事や活動の中から、応募先でも生かせそうな行動や習慣を探します。
例えば、検品業務が未経験の場合は次のように考えることができます。
検品業務の例
求人票を拝見し、商品番号や数量を確認して出荷前の間違いを防ぐ検品業務に関心を持ち、応募いたしました。検品業務は未経験ですが、これまでの作業では、作業前に手順を確認し、終了後には間違いや抜けがないか見直していました。入社後は検品の手順を一つずつ覚え、商品番号や数量を丁寧に確認しながら、正確な作業に取り組みたいと考えています。
未経験の場合は、次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。
- これまでに経験したこと
- その中で行ってきた行動や身についた習慣
- 入社後に覚える必要があること
例えば、
「検品をしたことがあるか」
だけで考えるのではなく、
「確認する習慣があるか」
「決められた手順で作業した経験があるか」
「間違いがないか見直していたか」
など、仕事を構成する具体的な行動まで分けて考えることがポイントです。
「未経験ですが頑張ります」だけで終わらず、これまでの経験との共通点と、入社後にどのように業務を覚えていくかまで書くと、内容が具体的になります。
志望動機を書くときに注意したいポイント
志望動機を書いた後は、次のような内容になっていないか確認しましょう。
条件面だけで終わっている
自宅から近く、勤務時間も希望に合っているため応募しました。
勤務地や勤務時間は、仕事を選ぶうえで重要な条件です。
ただし、それだけでは、なぜその仕事に応募したのかが伝わりにくくなります。
条件面に加えて、
- どの仕事内容に関心を持ったのか
- 自分のどの経験とつながっているのか
も整理してみましょう。
内容が抽象的になっている
人の役に立つ仕事がしたいと思い、応募しました。
このままでは、どの仕事に関心を持ったのかが分かりません。
「人の役に立つ」という言葉を使う場合も、
- どのような仕事を通して
- 誰に対して
- どのように役立ちたいのか
まで具体的にすると、応募先との関係が分かりやすくなります。
企業の言葉だけで終わっている
「地域に貢献する」という企業理念に共感し、応募しました。
企業理念を志望動機に使うこと自体は問題ありません。
ただし、「共感した」という言葉だけでは、なぜそう感じたのかが分かりにくくなります。
企業が実際に行っている事業や取り組み、自分が応募する仕事内容まで確認し、
「どの部分に関心を持ったのか」
を具体的にすると、応募した理由が伝わりやすくなります。
自己PRだけになっている
私は責任感があり、何事にも真面目に取り組むことができます。
これは自分の強みを伝える内容ですが、この文章だけでは、なぜその企業や仕事に応募したのかが分かりません。
自分の強みを書く場合も、
- どの仕事内容に関心を持ったのか
- その強みが表れた具体的な経験は何か
- 応募先のどの業務で生かせそうか
までつなげて考えます。
確認していないことを書いている
求人票やホームページの写真、文章などから受けた印象だけで、
- 社員同士の関係がよい
- 丁寧に仕事を教えてもらえる
- 誰にとっても働きやすい職場である
などと、企業や職場の特徴を断定することは避けましょう。
企業について書くときは、
「確認できた事実」
と
「自分が受けた印象」
を分けて考える必要があります。
例えば、
説明会で、入社後に研修期間が設けられていると説明を受けた。
という内容は、説明会で確認した事実です。
一方で、
誰でも丁寧に教えてもらえる職場である。
とまでは、その情報だけでは判断できません。
企業独自の特徴が分からない場合は、無理に特別な理由を作る必要はありません。
求人票や公式ホームページなどで確認できる具体的な仕事内容や事業内容と、自分の経験や関心との接点を整理しましょう。
「どの企業にも使える文章」になっていないか確認する
志望動機を作成した後は、応募先の企業名を別の企業に変えても、そのまま使える文章になっていないか確認してみましょう。
例えば、
貴社の仕事内容に魅力を感じ、応募いたしました。これまでの経験を生かし、貴社に貢献したいと考えています。
という文章は、一見まとまっているように見えます。
しかし、
- どの仕事内容に関心を持ったのか
- どの経験を生かすのか
- どのように仕事へ取り組むのか
が書かれていないため、他の企業にもそのまま使えてしまいます。
企業ごとに全く異なる文章を書く必要はありません。
ただし、少なくとも、
「その求人のどこに関心を持ったのか」
「自分のどの経験とつながっているのか」
は、応募先に合わせて確認しておきましょう。
書いた後のチェックリスト
志望動機を書き終えたら、次の項目を確認しましょう。
- 応募した理由が具体的に書かれている
- 求人票や公式ホームページなどで確認した内容を使っている
- 自分の経験や行動が具体的に書かれている
- 経験と応募先の仕事内容との共通点が分かる
- その経験を応募先の仕事でどう生かすか書かれている
- 応募した理由、仕事に生かせる経験、入社後の取り組み方がつながっている
- 実際の経験以上に強く表現していない
- 他の企業にもそのまま使える内容になっていない
- 面接でも同じ内容を自分の言葉で説明できる
- 誤字や企業名の間違いがない
志望動機は、文章として整っているだけでなく、面接で質問されたときに説明できる内容になっていることも重要です。
例えば、
「なぜこの仕事に関心を持ったのですか」
「その経験について詳しく教えてください」
「その経験を仕事でどのように生かせると思いますか」
と質問されたときに、自分の言葉で説明できるか確認してみましょう。
複数の企業に応募する場合は、別の企業向けに作成した企業名や仕事内容が残っていないかも確認が必要です。
※掲載している例文は、文章の流れや考え方を確認するためのものです。実際に応募書類を作成するときは、応募先の仕事内容と自分の経験に合わせて書き換えましょう。
一人で作ることが難しいときは
自分にとって普段から行っていることは、仕事に生かせる経験として気づきにくいことがあります。
また、
- 応募先のどこに注目すればよいのか分からない
- 自分のどの経験を選べばよいのか分からない
- 経験と仕事内容をどうつなげればよいのか分からない
- 限られた文字数にまとめられない
といった場合もあります。
はぐみワークスでは、求人票や企業情報を一緒に確認し、これまでの経験や行動を整理しながら、応募先に合わせた志望動機の作成を支援しています。
文章を完成させることだけを目的とするのではなく、
「なぜ応募したのか」
「どの経験を生かせるのか」
「入社後どのように働きたいのか」
を整理し、面接でも自分の言葉で説明できる状態を目指して支援を行っています。
まとめ
志望動機は、
- 応募した理由
- 仕事に生かせる経験
- 入社後の取り組み方
の3つを整理すると組み立てやすくなります。
大切なのは、採用されるために特別な理由を作ることではありません。
求人票や企業情報で確認した内容と、自分が実際に経験してきたことを結びつけて考えることが重要です。
同じ職種の経験がない場合も、これまでの仕事や活動の中から、応募先でも生かせそうな行動や習慣を探すことができます。
完成した後は、
「応募先について確認した事実に基づいているか」
「自分の実際の経験に基づいているか」
「面接でも同じ内容を自分の言葉で説明できるか」
を確認しておきましょう。
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2026-10-02

